どんな仕事も「相手がどんな人なのか」を自分なりに見極めておく事が、良い結果を出すために必要だと、みなさんも経験的に知っていると思います。クリエイティブビジネスにおいてもそれは同じで、まず企画や制作を依頼するパートナー企業の、窓口担当の職種を知ることをお勧めします。あくまで僕の主観ですが、職種によって傾向があります。
こんにちは。株式会社ライデンの井上です。
今回は、「仕事相手と最初に雑談することの重要性」について書きます。
一見無駄なようですが、相手を知って効率的に仕事を進める事ができれば、
踏む必要のない地雷を回避できてパフォーマンス上がりますし、
僕は絶対に必要だと思っていますので参考になれば嬉しいです。
どんな仕事も「相手がどんな人なのか」を自分なりに見極めておく事が、良い結果を出すために必要だと、みなさんも経験的に知っていると思います。クリエイティブビジネスにおいてもそれは同じで、まず企画や制作を依頼するパートナー企業の、窓口担当の職種を知ることをお勧めします。あくまで僕の主観ですが、職種によって傾向があります。
1:デザイナーやアートディレクターが直接窓口の場合
ビジュアルデザインやUIを重視する場合、直接制作する人物が窓口に立っていると、密にコミュニケーションできますし自分の意図をダイレクトに伝える事ができます。またコミュニケーションロスを防げたり、制作したモノを直接説明してもらえるメリットもあります。ただし、アートディレクターやデザイナーは当然「アートワーク脳」です。なのでどうしても見た目優先でアウトプットしがちです。それはそれで良い事なんですが、見た目を優先しがちな傾向がある、ということを頭の片隅においておくと良いでしょう。
ロジックと見た目を見事に接続させる、ものすごく優秀な人もいますが、これは稀だと考えた方が賢明です。
なのでポイントは、デザイナーやアートディレクターがうみだしたアートワーク(ビジュアルデザイン)を、好みや直感で判断するのではなく、どういうロジックが背骨として埋め込まれているのかを聞き、必要であれば一緒に微調整していく、という作業を行うと、非常に良いパートナーシップが生まれます。
逆に、レイアウトのスキルだけしか持ち合わせていないデザイナーが窓口の場合は、皆さんのビジネスゴールを深く理解しないまま、レイアウトの妙でどうにか体裁を整えようとするので心に訴えるパワーが弱く、品質が上がらない場合が多いので気をつけた方が良いです。
2:営業が窓口の場合
「かしこまりましたぁ!」系の営業は元気があって好感度高いですが、
実際に自分の頭脳と肉体とでクリエイティブを生み出しているわけではないので若干クラフトマンシップと言いますか、クリエイティブを軽視している場合もあります。
なのでクライアントの皆さんの無茶振りをニコニコで会社に持ち帰って、メンバーからボロカスに責められたりします。ただ優秀な営業は、良いコミュニケーションが取れると非常に力になります。
どんな営業が優秀かというと皆さんのビジネスゴールをしっかり理解していて、適切な判断ができて関係者間のバランスを取った利益配分や、なによりクライアントの皆さんの目線で思考することができる営業です。こういう営業はバランスの良いプロデューススキルを持っていますので、非常に頼りになるのですがこれも稀な存在といっていいでしょう。
最低限見極めたいのは、自分たちの売上や都合だけでなくクライアントのビジネスゴールをしっかり見てくれているか、というのがポイントです。
3:プロデューサーやディレクターが窓口の場合
営業と近いのですが、少し違ったトーンになります。
優秀なプロデューサーやディレクターとは、ずばり「クライアントのビジネスゴールを絶対に見失うことなく、ロジカルな戦略とクリエイティブを接着して考えることのできる人」です。
営業と違うのは、より実制作に近い場所にいるのでバランスの良いクリエイティビティに富んでいるという点が挙げられます。また制作チームの責任者でもあるため、俯瞰的にプロジェクトを捉えており冒険と堅実の中間を攻める事ができるのも特徴です。
こういう人が窓口になって、責任をもってプロジェクトに取り組んでくれると、結果が伴いやすいと言えます。
しかし当然ですがそんなナイスなプロデューサーやディレクターも、稀です。ここでもポイントは、ビジネスゴールをしっかり理解しているか、ロジカルな思考力があるか、バランスの良いプロデュース能力を持ち合わせているか。そしてクリエイティビティに富んでいるか、そのあたりのバランス力を見定めると良いでしょう。
4:プランナーやコピーライターが窓口の場合
これはほとんど番外編ですが、優秀なプランナーやコピーライターは素敵で適切なストーリーを生み出します。あとはそれを上手く形にできるか、そこにかかっていますので重要なのは彼らのプランを支える優秀なクリエイターが周囲にいるのかどうか、この見極めができれば、良い結果が得られます。
が、ビジネスプロデュースが本業ではないので、プロジェクトの規模が大きい場合は、やはりプロデューサーやディレクターに窓口に立ってもらった方がいいでしょう。
さて、かなり個人的な意見で書きましたが、大事なのはこれらの傾向を頭の片隅においておくと、クライアントの皆さんにとって非常に有益だということです。
通常は、どういうメンバーが関わっていて、どういうプロセスを経てアウトプットが自分たちの目の前に出てくるのか、そこを理解するのは非常に難しいことです。なのでプロジェクト開始前(できれば契約前)に、一旦お互いを知るために雑談だけの時間を取る事をお勧めします。
これをやるのとやらないのとでは、かなりプロジェクトの進行プロセスに違いが出ます。オンラインでもカフェでも食事でもなんでも良いんですが、雑談を通じて相手を知ることで、先に書いたような傾向を鑑みて取り組むことができます。雑談といっても、ラーメンは家系が好きか醤油が好きかという話ではなく、お互いを理解するための情報共有になってないといけません。
例えば相手のバックグラウンド。「今は営業ですけど元々デザイナーだったんですよね」という場合は、クリエイティブへの理解が高い可能性がありますし、瞬発力が高くてポンポンいろんな発想が出てくるタイプか、瞬発力はないけど熟考して捻り出すタイプか、そもそも何かを生み出すための引き出しがあるのか、ないのか、新しい知識を入れることに熱量を割ける人なのか、これまでどんな経験値を積んでいるのか、このプロジェクトに対してどれくらいの洞察を行っているのか、などなど雑談の中から伺い知れることは沢山あります。
逆に、相手を知るというプロセスを経ずに淡々とビジネスを進めるのは、僕はギャンブルに近いような気がします。例えばこんなテーマで相手に意見を聞いてみるのはどうでしょうか。
・どんなキャリアを経て今があるのか?
・自分たちのビジネス課題について、良案はあるか?参考になりそうな事例はあるか?
・自分たちのブランドについて、どう思うか?
・最近の表現トレンドはどんなものか?
・自分が良いと思っているデザインを示して意見を聞く
・どういうプロセスでプロジェクトを進めるのが良いと考えているか?
・相手の会社の個性や事業領域、大事にしている事は何か?
・相手の会社の得意な事、不得意な事は何か?
などなど、是非カジュアルに話をしてみてください(カジュアルに、というのがポイントです)。
このように、相手の力量を推し量ったうえで仕事に取り組む(契約する)ことは、不要な地雷の回避、より良い結果を出すための近道、などなどメリットが沢山あります。
また、人間的に長く付き合っていける出会いになるかもしれません。反対から見れば、制作パートナー側も同じように皆さんの事を知って、良いコラボレーションに繋げようと考えているはずです。ぜひ胸襟を開いて(?)バチバチに感度を高くして相手の力量を量り、謎の上下関係に囚われるのではなくお互いを補完しあって、プロジェクトのゴールを目指せる関係を構築してください。
「エンドユーザーとのエンゲージメントを⾼めたい」「コミュニケーションに⼀貫性を持たせたい」、
「⾼品質なビジュアルデザインを求めている」など、御社の課題をぜひご相談ください。
御社のブランドパートナーとしてご縁が繋がることを、私たちも楽しみにしています。