RYDEN

組織のインテリジェンス

2022.03.10
デザイン
井上 雄一郎

こんにちは。株式会社ライデンの井上です。

今回は「組織のインテリジェンス」について書きます。
これは非常に重要で、スタークリエイターが一人で牽引しているような組織と、小粒だけど全員が平均以上の能力を持って、総合力でパワーを発揮する組織とで組織のインテリジェンスは大きく変わってきます。仕事を依頼したい時に重要な視点だと思いますので、ぜひ参考にしてください。

その組織には、インテリジェンスがストックされているか?

アウトプットの品質にバラつきがあるのは何故?

前回と同じ会社に発注したのに、
クリエイティブの品質に差がある

前回と同じような価格なのに、何故?或いは、HPめちゃくちゃかっこいいのに、仕事を依頼したらあんまりかっこよくならなかった…。ということは、実はよくあります。

ビジュアルデザインは人間がやっている以上、その人のスキルによって差がつくのは当然といえば当然です。

しかし、それは発注主からすれば、ギャンブルに他なりません。
特に少数の看板スタークリエイターが牽引しているような組織の場合、スターが担当してくれれば、あるいはディレクションだけでも入ってくれればいいのですが、スターが掠りもしなかったせいで低い品質のアウトプットが出てきてしまったということが起こり得ます。

なので、どの会社に依頼するのか、 ということの先にある「誰が担当するのか」、 実はこれも非常に重要な視点なのです。

もちろん、「この会社に依頼すれば、誰が担当しても素晴らしい仕上りになる」のが理想ですし、実際にそういう組織もあります。

しかし現実問題として、「あれこんなはずじゃ」ということは起きてしまいます。

これは、デザインのノウハウが
一部のスターの中だけにストックされていて、
組織の中で誰もが活用できる形でストックされていない場合に起こります。

もちろん、ビジュアルデザインはノウハウだけで完成度が上がるわけではありません。感覚や思考や経験、情熱、様々な要因が絡んでくるので、私は「感覚を磨き思考を深め情熱を持って仕事に取り組むためのノウハウや、経験から得た様々なこと」も、組織全体のインテリジェンスとしてストックされるべきだと思います。

ライデンの場合、直接的なデザインの技法や知識をストックしていくのは当たり前ですが

どうやったら自分の引き出しに多くのインプットを行えるか、どういう考えでクライアントと向き合うべきなのか、などなど、クリエイターとしての土台部分に関するインテリジェンスもストックしていきたいと思ってます。

例えばこういう発信も、内部へのストックとして書いています。

ちょっと脱線しましたが、スタークリエイターだけに依存しない組織、或いはスタークリエイターのノウハウを他のメンバーにも共有して最大限活用している組織、が強いし成長する組織の必須条件だと思っています。

これができないと、所謂個人事務所スタイルから脱却できません。

インテリジェンスのレベルはいかほどか。

表層をなぞるのではなく、本質を考えてくれるか?

例えば、外国人モデルを起用した、シャシャシャーっと動くスタイリッシュなWebサイトが出来上がったとします。
確かに誰が見ても、80%くらいの人はカッコいいと思うサイト。

ただ、なぜ外国人モデルなのか、なぜシャシャシャーっと動く必要があるのか、なぜこの表現で、なぜこの情報がここにこの大きさで存在するのか。結果、訪問者に何を与えどんな行動変容を期待するのか、などなどアウトプットには必ず意図があります(正しいかどうかはさておき)。

この「意図」を高い視座で説明できるだけのインテリジェンスがデザイナーにあるのか、私は非常に重要だと考えています。もっと言えば、ビジュアルデザインは言語の壁を超えたノンバーバルなものであるべきですが、作り手は、言語を以って説明できねばなりません。

言語能力の低い作り手は、一般的にクリエイティブ能力も高くありません。

そのインテリジェンスは、発注主にとって有効か?

これが依頼すべきパートナーか、に直結します。

例えば、数千ページの既存Webサイトを、新しいデザインでリプレイスすることに関して高いレベルのインテリジェンスを持っている組織があるとします。

「いやー、すごい大手のWEBサイトばっかり!ぜひうちの仕事も請ていただきたい!」

ということで産地直送オリーブオイルのLPを依頼しても、コンバージョンの高いLPが出来上がるかは謎です。何故なら、数千ページのWebサイト構築と、消費者インサイトの洞察やECサイトのCTAを上げる情報編集と設計のノウハウは別だからです。

極端な書き方をしましたが、その組織が持っているインテリジェンスが、自分たちのビジネスに適応しているのか、ある程度見抜くのも発注主としては必要かもしれません。

でも、そういう幾つものポイントをクリアして得られた縁は、大切にしたいですね。

この記事を書いた人

クリエイティブプロデューサー
井上 雄一郎
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