RYDEN

なぜブランディングデザインが失敗しやすいのか

2022.02.10
クリエイティブプロデュース ブランディング
井上 雄一郎

こんにちは。株式会社ライデンの井上です。

今回は、特に初めてのビジネスパートナーと仕事をする際に起きやすい問題について書きます。

最初に結論を簡単に書くと、お互い「これくらい分かってくれるだろう」という思い込みで泥沼にハマるという現象が起きるのです。

ある程度長期的なコミュニケーションが必要なブランディングデザインのプロセスで
認識の齟齬から関係がギクシャクし始めると、修復には労力と時間を要します。

これは長い道のりを一緒に忍耐強く進んでいくブランディングデザインが頓挫しがちな要因のひとつになっていると思いますので、今回の記事が皆さんの参考になれば嬉しいです。

目線を合わせてから仕事を進めた方が絶対に良い

突然ですが皆さんは、パートナー企業に依頼のオリエンテーションを行った後、 次のステップをどのように考えていますか?

おそらくパートナー企業からの提案を待つ場合が多いと思います。が、「○月○日に提案させていただきます」という、いきなり全力提案というやり方は、ライデンではあまりやりません。

なぜならそれは、あまり親しくない間柄の相手に「何かお勧めの映画ない?スカッとするやつ一緒に観ようよ」と誘ったら「了解!来週めっちゃ面白いDVD持ってくるね!」と呼応してくれたものの、

昭和40年に製作された勝新太郎主演の「兵隊やくざ」を観せられる可能性があるのと同じだからです。

つまり、クリエイティブ専門職の人間と、別の領域の専門家である皆さんとの間には、そもそも情報の非対称性という前提条件があります。我々がプロとして持っている知見は、相手からは見えないのです。だから、皆さんはブランディングやデザインの知識・技術は専門外ということで、我々のような外部のパートナー企業に依頼されるわけです。

その際同じ日本語を使っている我々は、目指すべき戦略的ゴールを比較的容易に共有できます。

「我々はドープなHIPHOPを通じて世界をハッピーにするんだ!」という戦略を立てた場合、
「そうか野球で世界平和を目指すのか!」と理解する人はいません。

ただ、「どんな音楽がドープなHIPHOPで、ハッピーってどういう状態?」というテーマになると、これはもう100人いれば10通りくらいの意見というか認知があり、そしてそれは当たり前なのです。

つまり皆さんとパートナー企業(クリエイティブ企業)の人間は当然、もともと持っている知識、普段見ているもの、考えていることは違いますし、視点が違えば重要視している事も違います。要するに何が良くて何が良く無いかという、
目線が合ってない状態が当たり前なのです。

しかも、どういうプロセスでプロジェクトを進めていくべきか、という進め方の面でも当たり前にお互いの認識が乖離しています。

そんな両社がひとつのチームとなってプロジェクトを進めていくというのに、目線が合ってないまま提案の朝を迎え、皆さんのアツい期待と、パートナー企業側のアツい提案が正面衝突した結果、無限の泥沼が現出してしまうのです。
僕は若い頃、無限の泥沼に腰まで浸かって格闘している両社がお互いに
「あいつらはセンスがない」という言葉で全てを片付けて離れていくのを時々見てきました。

しかし当時から僕は「あいつらはセンスがない」で済ませて良い問題だとは、到底思えなかったのです。

普段最新のJ-POPを聴いている女性に突然「真の音楽はこっちだよ、コレだよ!」と絶叫してDr. Dreを聴かせても、そりゃ相手にされないだろうみたいな話なのです。なぜ現在の音楽シーンを語った上でDr.Dreに誘導し、聴くべき理由を語らないのか、それじゃ女性にモテないだろう、というようなことをよく思っていました。

目線合わせミーティングの効果はすごい

要するに、「こういうイメージやこういう訴求の仕方、整理の仕方はアリだと思うんですよね」 「これはいいですね、でもこっちはちょっとイメージ違うかも」みたいなユルいMTGをやるということです。

ライデンでは多くの場合、プロジェクトの初期にクライアントに時間を取っていただいて、目線合わせミーティングを行います。方法や内容はケースバイケースですが例えばWebサイトだったら、現在世の中にある色々なwebサイトを一緒に見て、品質の高いもの、低いもの、トレンドに沿っているもの、沿っていないもの、ベンチマークにできるもの、できないもの、等をほとんど雑談のような形式でお互いの引き出しを見せ合います。

ここで、皆さんが「かっこいい」と思っているものが実は前衛的すぎてベンチマークにしたらヤバいとか、我々がベンチマークにすべきだと思っているものが皆さんの視点では全く論外だったとか、色々なことが明らかになります。

そして、私たちライデンはプロジェクトを成功に導く責任がありますから、正しいと思うことを正直にお話しすることで、ある程度事前の合意を形成できるのです。こういったプロならではの視点で重要視すべき点をお伝えすることで、皆さんに信頼と安心感、つまり納得感を持っていただくことができます。

この納得感を事前に持っていただくことができるか・できないかで、その後の関係は劇的に違ってくると思っています。

なのでこのような「目線合わせのミーティング」を行って事前の関係性を作りにきてくれるか、自分たちの引き出しの中身(能力)を見せて、進むべき道を示してくれるか、というのはパートナー企業のコミュニケーション能力を図る指標だと思っています。

目線合わせミーティングのポイント

目線合わせミーティングを行う上で、意識すべきは下記の5つです。

  1. お互いを知るためのディスカッションである
  2. プロジェクトのゴールへ向かう為にチームで知識レベルを合せること
  3. 皆さんに不足している情報を、パートナー企業が補完する場であること
  4. 逆に皆さんからパートナー企業へ気軽に質問をできる場にすること
  5. 不毛な上下関係を作らない、フラットな関係性を作るためのもの

と認識することがポイントです。
提案のための提案になっては、本末転倒です。

このミーティングをセットできるか、そして効果的な目線合わせミーティングにできるか、これはとても重要なことですので、是非皆さんも試しに取り入れてみてはいかがでしょうか。

目線合わせミーティングを活用することで、
現在のトレンドやベンチマークだけでなく、専門家がどんな事を評価の基準にしているのか、重要視しているのか、どんなところに費用がかかるのか、逆にどうすれば予算を効率的に使うことができるのか、などなど直接プロから話を聞けますし、何より相手の引き出しをある程度知ることで、安心してパートナーシップを築くことができます。

このようなコミュニケーションを取れるパートナーが、長期的な関係を築ける相手だと思いますので、是非参考にしてください!

この記事を書いた人

クリエイティブプロデューサー
井上 雄一郎

ライデンへのご相談

「エンドユーザーとのエンゲージメントを⾼めたい」「コミュニケーションに⼀貫性を持たせたい」、
「⾼品質なビジュアルデザインを求めている」など、御社の課題をぜひご相談ください。
御社のブランドパートナーとしてご縁が繋がることを、私たちも楽しみにしています。